内乱としてのオウム真理教事件3〜化学防護隊出動せよ〜

首都が阿鼻叫喚の地獄と化し、混乱のただ中にあったとき、大宮の陸上自衛隊化学学校と第101化学防護隊の男たちはガス爆発かとの誤報が錯綜するなか即座に何が起きたかを理解した。『サリンだ!!』陸自は事件発生から29分後には、自衛隊中央病院等の関係部署に出動待機命令が発令される。第101化学防護隊及び第1・第12師団化学防護小隊、化学学校からは災害派遣出動がなされた。迷彩色の戦闘防護衣や白色の化学防護服に身を固めた隊員たちが地下鉄に到着すると周囲から歓声が上がったという。地下鉄に突入した化学防護隊は除染作業を開始。最終的には第32普通科連隊や各化学科隊を加えた臨時のサリン除染部隊が広範囲な除去作業に従事した。
毒ガス除去は最終的には古典的手段による確認となる。すなわち隊員自らマスクをとり深呼吸をしてみるという体を張った作業である。
化学学校の教官である近藤一尉は一瞬マスクを緩め、瞳孔が縮小しないかまず確かめた。神経ガスなら縮瞳が起こる。縮瞳が起こらないことを確認するとマスクをとり深呼吸した。
地下鉄が平穏を回復した瞬間であった。 化学防護隊は自衛隊廃止を叫ぶ一部知識人にとりしばしば格好の標的となり続けた。
『平和日本に化学防護隊は必要ない』『化学防護隊がいるとガス攻撃を受ける理由になる』『極秘に化学兵器を製造している』と数々の誹謗中傷に晒された。半村良のヒット小説『軍靴の響き』でも化学学校は不気味な秘密部隊として描かれ、クーデターを起こし化学兵器で左翼活動家を毒殺するシーンまである。だがこうした悪罵に耐えながら創隊以来化学戦に備えてきたプロフェッショナルだけが未曽有の事態における切り札となったのである。


posted by 右野翼 滅罪 at 13:24 | Comment(0) | 【日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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