核兵器だけでは抑止力は機能しない

日本が核武装をすればどこの国も攻めてこれなくなる−これは半分は正しいが、半分は誤りと言える。確かに核を持てば、その国を滅ぼすような全面戦争を仕掛ける相手はいなくなる。だが反面、限定戦争やテロの危険がなくなるわけではない。
アルゼンチンはイギリス領フォークランド諸島を占領、フォークランド紛争が開始される。イギリスは核保有国であるにも関わらず核抑止は機能しなかったわけである。これは当然でイギリスが攻め滅ぼされようとしているならともかく、島一つ盗られただけで核を使用するわけにはいかない。アルゼンチンはそれを見越してフォークランド諸島を占領したのだ。
イスラエルは密かに核武装に着手していたにも関わらず、エジプト・シリアから侵攻を受け、第四次中東戦争が勃発した。当時エジプトとシリアが全力を挙げてもイスラエルを滅ぼすなど夢物語だった。だがエジプトはスエズ運河、シリアはゴラン高原のみを狙った限定戦争を企図し、イスラエルに侵攻したのである。結局イスラエルも核兵器を使用できなかった。
アメリカは世界一の核保有国だがケニア・タンザニア大使館爆破テロ、ついで9・11テロを受けた。インドもパキスタンからカシミール地方やムンバイでたびたびテロ・ゲリラ攻撃を受けている。
そしてアメリカの核の傘で守られているはずの日本も北朝鮮から百人以上の民間人が拉致され、中国に尖閣諸島を狙われている。
つまり核兵器はその強力な破壊力ゆえ大戦争を抑止する力はあるが、局地戦やテロには使えない兵器なのだ。
冷戦期核抑止力に自信を深めたアメリカが在欧米軍の大量削減を打ち出したとき、ドイツのアデナウアー首相は『核兵器は通常戦力という盾から繰り出される長い剣である』と猛反対した。
日本にアメリカの核の傘にあるからと言って通常戦力による対テロや島嶼防衛を怠ってはならない。日本が核武装しても同じである。

滅罪


posted by 右野翼 滅罪 at 01:17 | Comment(1) | 【日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
性格にはアデナウアーではなくアイゼンハワーの発言でした、訂正します。
アデナウアーが猛反対したのは事実ですが
Posted by 滅罪 at 2013年09月14日 23:49
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